白血病のタイプに合った治療法を

昔は白血病と言うと治らない病気というイメージが強く「不治の病」と言われていたこともありました。しかし最近では治療法の研究も進んで、なかなか治らないと思われていた白血病も完治できると期待されるようになってきました。ただ白血病にも急性や慢性、骨髄性などの種類があり、それぞれに適した治療を施さないと完治するのは難しくなります。

白血病にはどんな種類があるのか、どんな治療法が適しているのか知ることから始めてみてください。

代表的な白血病の治療法

代表的な白血病の治療法をご紹介します。

化学療法

化学療法
化学療法は白血病の初期治療で、がんの徴候を消失させることを目的としています。治療に用いられるのは、がん化した細胞を破壊する「抗がん剤」。感染症から身体を守る白血球をも破壊するほど強力なので、無菌室で実施されます。

出典：白血病の治療・症状ガイド｜白血病大事典

化学療法は薬物療法のひとつで、主に急性骨髄性白血病（AML）の治療に用いられます。強力な抗がん剤を投与すると発熱や吐き気などの副作用が出ることも多いので、治療に関しては注意が必要です。

造血幹細胞移植療法（骨髄移植療法）

致死量の抗がん剤を投与したり全身放射線照射を行うことにより白血病細胞を殺した後に、強力治療によって回復しなくなる骨髄中の造血細胞を、他人の骨髄を移植することにより、血球を回復させる治療法です。
必要なのは骨髄中にあって血液細胞をつくる基になる造血幹細胞です。
最近、この造血幹細胞が末梢血中や臍帯血の中にもあり、これらを用いる末梢血幹細胞移植や臍帯血幹細胞移植も骨髄移植と同じ程度に有効であることが判りましたので、今では造血幹胞移植療法と一括されるようになりました。

出典：特定非営利活動法人成人白血病治療共同研究機構

以前は骨髄移植療法が主流でしたが、最近では造血幹細胞移植療法でも同等の効果が認められることがわかりました。造血幹細胞移植療法により、薬物療法では効果が期待できないタイプの白血病でも治癒の可能性を高めることができるようになりました。

分化誘導療法

分化誘導療法
急性前骨髄球性白血病では、ビタミンAの誘導体であるオールトランス型レチノイン酸（ATRA：All-trans Retinoic Acid）とタミバロテンが使用されます。他の抗がん剤が白血病細胞を直接破壊するのに対し、ATRA、タミバロテンは白血病細胞を分化・成熟させることによって、正常な白血球と同様な経過をたどって死滅させます。

出典：国立がん研究センター

分化誘導療法は薬物療法の一種で、急性前骨髄球性白血病の治療に用いられます。発熱や息苦しさなどの副作用が起こる可能性もありますが、ほかの抗がん剤と併用することで、合併症の発症を減らすことも可能です。

白血病の治療法も進化している

白血病の治療法と言うと骨髄移植をイメージする人も多いかと思われますが、最近では骨髄だけではなく造血幹細胞の移植による治療も効果を発揮していますし、薬物療法の種類も増えてきて、なるべく副作用を減らせるよう研究が進んでいます。

白血病は治療すれば治る病気