胃がんの早期発見のためには検査を

胃がんはがんの中でもかかる人の割合の多いがんで、ステージが進むほど治療も困難になり、生存率も低くなってしまいます。胃がんだけでなくどのがんでも、またほかの病気にも言えることですが、より早く確実に治療するためには、病気の早期発見が非常に重要です。

しかし胃がんの自覚症状はほかの症状と見分けがつきにくいので、がんだと気づかないまま過ごしてしまうことも少なくありません。腹痛や腹部の不快感などを感じることが多いなら、定期検診や胃がんの検診などを受けて異常がないか確認のためにも検査してみることをおすすめします。

胃がんにはどんな治療法がある？

胃がんの治療法で代表的なものを3つご紹介します。

内視鏡治療

内視鏡治療
内視鏡を使って、胃の内側からがんを切除する方法で、早期胃がんで、リンパ節転移の可能性がほとんどないものに適用されます。がんを切除した後も、胃が温存されるので、食事への影響がほとんどなく、QOLも保たれます。

出典：胃がん治療に対する正しい知識を身につけて病気を乗り切るためのサイト

胃がんの中でも進行度が低く早期発見できた場合は、胃を大きく切除することなく胃の内側からがんを切除する内視鏡治療が用いられます。開腹する必要もないので、患者さんにかかる負担も軽く済むようになります。

手術（外科治療）

手術（外科治療）
遠隔転移がない胃がんで、内視鏡治療による切除が難しい場合には、手術による治療が推奨されています。手術では、がんと胃の一部またはすべてを取り除きます。同時に胃の周囲のリンパ節を取り除くリンパ節郭清（かくせい）や、食物の通り道をつくり直す再建手術（消化管再建）も行います。おなかを20cmほど切開する開腹手術と、小さい穴を開けて専用の器具で手術を行う腹腔鏡下（ふくくうきょうか）手術があります。腹腔鏡下手術が長期的にみて有効かについてはまだ十分わかっていないので、この手術を検討するときは、担当医とよくご相談してください。

出典：国立がん研究センター

胃がんの主な治療法である手術。がんのある部位や進行度合いによって、切除する部分や範囲が異なります。胃の周辺の臓器を切除することもあり、手術後には合併症が発生するリスクもあります。

化学療法

化学療法
胃がんの化学療法に使われる薬剤は、Ｓ－１（商品名・ティーエスワン）、シスプラチン（同・ブリプラチン、ランダ）、パクリタキセル（同・タキソール）、ドセタキセル（同・タキソテール）、イリノテカン（同・トポテシン、カンプト）が主体です。
ティーエスワン（ＴＳ－１®）は飲む抗がん剤で、日本における胃がん化学療法の中心的な存在です。再発予防を目的に行う術後補助化学療法の場合は単独で、転移がある場合や再発の場合は、シスプラチンと併用されるのが一般的です。ＴＳ－１とシスプラチンが効かなくなったときは、パクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカンを使用します。

出典：日本臨床外科学会

転移や再発防止、手術で取り切れないがんが残る場合などは、抗がん剤を用いた化学療法がおこなわれます。手術ができないほど進行した場合の治療にも用いられるのが化学療法です。

胃がん進行度合いによって治療の負担も変わる

胃がんの治療と言うと胃を切除する手術が代表的ですが、早期発見で進行度が低ければ胃を切除せずに開腹もしないで済む内視鏡治療を選ぶことができるので、ここでも早期発見の大切さがよくわかります。

胃がんは早期発見で早めに治療しよう